男性更年期障害
男性も女性と同様に更年期障害が起こります。これは男性ホルモンの低下によるもので、男性ホルモンの低下するスピードがゆっくりである上に個人差があるため、女性の更年期障害ほど露見することはありませんでした。しかし、男性更年期障害は様々な症状が起こります。生活習慣や職場環境などへ影響が出ることがわかってきていますので、下記に記載するような症状がありましたらご相談ください。
症状
男性更年期障害は様々な症状が起こり、身体的症状・精神的症状が出ます。
身体的症状
女性更年期症状と似た症状
- 異常なほど汗をかく
- ほてり、のぼせ
- 筋力の低下
- 関節の痛み
- 筋肉痛
- 頻尿
- 肥満
など
男性特有な症状
- 性欲の減退
- ED(勃起不全)
精神的症状
- 集中力、記憶力の低下
- 物事への興味、意欲低下
- 不安感
- うつ病のような症状
- 不眠症(睡眠障害)
上記の症状以外にも様々な症状が起こる可能性があります。なお、男性特有の症状である勃起力低下などが起きている場合は、一度検査することをお勧めします。
検査
- 男性更年期障害のセルフチェックが可能な症状スコアー(AMS)
- 男性ホルモンの量を検査できる総テストステロン・フリーテストステロン測定
本来であれば、総テストステロン、フリーテストステロンの両方を測定すべきではありますが、健康保険の関係で同時には測定できないことや、日本人では加齢による総テストステロン値の低下は軽微であることより、我が国ではフリーテストステロン値を診断基準としている。
テストステロン値は、日内変動があることより可能であれば午前11時までに測定することをおすすめします。
治療
フリーテストステロンの測定結果が7.5pg/ml以下であった場合、テストステロン補充療法の適応があると考えております。
治療を行う前に、PSA、Hb、肝機能、黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)を測定し、
テストステロン補充療法が可能かどうかを判断いたします。
男性更年期障害の治療を行う上で、男性ホルモン補充療法が最も一般的な治療法となります。当院では2週間から4週間に1回、エナルモンデポー注射(筋肉注射)を行います。
副作用
- 心血管系疾患
- 肝機能障害
- 多血症
- 高脂血症
- 前立腺疾患
- 精巣萎縮
など
上記のような副作用が起こるとされているため、定期的に採血検査を行って観察していきます。